シナロア・カルテルのボス、ホアキン・グスマン逮捕から4日。出身地シナロア州では州都クリアカンをはじめいくつかの市でこの麻薬王の解放を求めるデモ行進が行われた。これは金にあかせた組織が仕立てた見せ掛けの示威行為なのだろうか? ビデオでインタビューされたクリアカンの女性は、「チャポは私たちにとってはいい人だ。釈放してほしい」と語り、デモ参加者には学生のように見える若い男女が目立つ。
メキシコの新聞「ラ・ホルナーダ」の記事を要約してみた。
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クリアカンで「チャポ」解放を求めるデモ、10人の逮捕者 (2014年2月26日)
シナロア・カルテルの元リーダーの「チャポ」ことホアキン・グスマン・ロエラの解放を求めるデモに約2000人が参加、10人の逮捕者が出た。グスマンは現在、メキシコ州トルーカにある重犯罪者向けのアルティプラノ刑務所に収容されている。
デモ隊は大部分が若者で、市中心街を市庁舎の角まで行進した。午後8時ごろ、警察官らが駆けつけ、解散を命じたところ、反発した若者たちは水の入ったペットボトルを投げつけた。未成年者とみられるデモ参加者の一人が、警官に棒で殴られ頭を負傷した。
デモの間、2組の音楽バンドがシナロア州の伝統音楽を演奏し、何台もの高級車がデモ参加者を援護し、カーステレオから「チャポ」を歌っているとされる歌を流した。
デモ参加者らのプラカードには次のような言葉が並ぶ。「シナロアはチャポの釈放を求める」「もう戦争は嫌だ。チャポを解放せよ」「チャポ、あなたの子どもがほしい」「汚職政治家と違って、ホアキン・グスマンはわれわれに仕事を与えてくれていた」。デモ召集の呼びかけに応じて、多くは白い衣服を身に着けて来ており、白い服でない参加者には「I love Chapo」と文字の入った白いTシャツが配られた。
シナロア州の別の街、グアムチルでも約500人が中心街に集まり、チャポのアメリカへの身柄移送に反対を表明し、ほかにモコリト市でも同様のデモ行進が招集された。抗議行動を呼びかけるチラシは軽飛行機やヘリコプターからばらまかれ、街の中心部の通りや公共施設や商店の壁にもチャポ支持のポスターが貼られた。デモ参加の呼びかけはWhatsAppなどソーシャルネットワークを通じても拡散された。